俺は毎日、棒棒鶏に棒棒鶏のタレをぶっかけている。
もしくは切り刻まれた鶏肉に黒ゴマをねじ込んでいる。
あるいは、回鍋肉(ホイコーロー)の中に埋もれた赤ピーマンを直ちに見つけ出し箸でつかみ、
然るべき丁度いい感じのポジションに修正している。
まあ、要するに中華料理屋でバイトしているということだ。
日々油まみれ汁まみれの労働に勤しむ一方で、
漫画執筆活動に勤しみまくっているわけだ。勤しみまくりボンバーである。
皆さんニーハオ、いやグーテンターク、平成のキレたインテリこと、河童モルヒネでございます。
俺は自他ともに認める"自称漫画家”ではあるのだが、
今回はウェブマガジンの編集長に機会をもらったのでこれを書いている。
なに、書いていると言ってもお堅い文章じゃない。
そう、どちらかと言えばビスコ的な、
あの国民的おやつであるビスコの有名なパッケージの、
あの少年のなんともい言い難い微妙な笑顔、
そんな文章を目指して書いている(どんな文章だ)。
まあそんなノリで読んでいただきたい。
(意味がわからない人は時間の無駄なので深く考えてはいけない) 初めてのコラム連載である。
初めてのコラム連載であるが、
今俺はこの文章をアイフォーンのアプリでポチポチと打ち込んでいる。
打ち込んでいるがしかし、俺の膝の上には子ネコが座って寝ている。
子ネコとは言えどもバリバリの成長期だ。
重い。
足が痺れてきた。余談だが俺は、足の痺れに非常に敏感な男なのであって、
場合によっちゃあ失神しかける。
失神してはコラムどころではない。
そろそろこのコラム第一回をシメたいのだが、困ったことに着地点が見当たらない。
迷子である。
迷子には自信がある。
ふと思い今、「迷子 得意」「迷子 優勝」でグーグル検索をしてみたが、
この検索で引っかかった数件のクソみたいなブログの持ち主よりは俺の方が優秀である(より迷子という意味で)ということは間違いない。
ところで今、子ネコが俺の顔面の前でデカいあくびをカマしたんだが、
驚くほど臭かった。
驚きのあまりネコの口にフリスクを放り入れようかと思ったくらいだ。
肉食獣か! 俺もそんなビッグな男になりたいもんだが、
どうしようもない程に明日もまたアルバイトなのである。(完)
河童モルヒネ
河童モルヒネ…ハードコア漫画作家。文化人。虚弱体質。
己を取り巻く"不条理”に対する嫌気を原動力に、狂人のフリをしながら、アメ車顔負けの燃費の悪さで絶賛活動中。
現代美術にナカユビを立て、神をも恐れぬ不謹慎さと、ヘドロのような破れかぶれ墨汁技法を武器に、日々是鍛錬、ポンコツ街道まっしぐら。
トーンもGペンも一切使わない、ほとんど筆ペンとボールペンで描かれた見にくい(醜い)原稿は、まるで上質な"便所の壁の落書き”を彷彿させる。
人呼んで『キレたインテリ』。
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